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- 2023/08/01
買い戻しも可能⁉|リースバックで住宅ローンを精算する方法
住宅ローンの返済が負担になったときの解決策として検討することが多いリースバック。
リースバックとは、自宅をリースバック業者に売却し、その売却代金を住宅ローン残債の返済に充て、そのまま賃貸借契約を結んで住み続けるという方法です。
リースバックを利用すると、まとまった資金を得ることができ、住み慣れた家でも暮らし続けられるというメリットがあります。
しかし、家賃を支払い続ける必要があるため、住宅ローン残債を清算するのに時間がかかります。
また、リースバック業者に支払う手数料が発生する可能性があるため、注意が必要です。
リースバックを利用するかは、メリットとデメリットをよく比較検討する必要があります。
今回の記事では、住宅ローンの残債があってもリースバックは可能なのか、手順や仕組みについて解説していきます。
住宅ローンが負担になっている方は最後まで読む価値のある記事になっています。
住宅ローン残債<資産価値の場合はリースバック可能
住宅ローンの残債がある場合でも条件を満たしていればリースバックは可能です。
ここでいう「条件付き」とは、表題にも書いてある通り、「アンダーローンの場合」を示します。
ではアンダーローンとはどういった住宅ローンの状況なのでしょうか。
次の項目で解説していきます。
アンダーローンとオーバーローン
アンダーローンとは、住宅ローンの残債よりも住宅の資産価値が上回っている状態、オーバーローンとは、住宅ローンの残債よりも住宅の資産価値が下回っている状態です。
基本的な考え方を説明すると、売却によって得た資金を充て、ローンの完済を目指しますよね。
残っている住宅ローンよりも売却値が上回っていれば、ローンの完済は可能になります。
しかし、オーバーローンの場合は、売却値が残債よりも下回っているため、ローンの完済は見込めません。
リースバックは売却した後も住み続けられる方法ですが、一度リースバック業者に売却するため、オーバーローンの場合は完済が見込めず金融機関からも同意を得られない可能性もあります。
そういった事情からも住宅ローンの残債が残っている場合は、アンダーローンの場合のみという条件付きになる場合が多いのです。
難しくない|リースバックの手順は5項目だけ
普段から馴染みのない言葉は感覚的に後ろ向きなモチベーションになるものです。
リースバックも同様ですよね。
言葉だけが先走りして通常の売却と比べ難しいのではないかと身構えてしまいます。
ここで先にお伝えしておきます。
次の5項目が手順の大元になるので、そこまで肩肘を張る必要もありません。
1.リースバック業者に相談する
2.物件の査定を受ける
3.家を売却する
4.賃貸借契約を締結する
5.引き続き住み続ける
では1項目ずつ解説していきましょう。
リースバック業者に相談する
不動産仲介時の売却と同様に、まずはリースバック業者に相談することがはじめの手順になります。
通常の売却は基本的に売買を取り扱っている不動産仲介会社であればどこでも対応可能ですが、リースバックはそうはいきません。
リースバックを取り扱っている、または、過去に実績のある、リースバックの専門知識の豊富な不動産会社に相談をする必要があります。
インターネット上で「リースバック業者」と検索をかけると、専門業者を見つけることができるでしょう。
そして、忘れてはいけないのがリースバックの実績です。
ヒットしたリースバック業者を選ぶのではなく、実績、評判、条件の3点を確認し、相談してみましょう。
物件の査定を受ける
通常の売却は、売主と買主との間に売買契約が成立し、不動産仲介会社が売買取引を仲介します。この場合、不動産仲介会社は仲介手数料が成功報酬となり売上となります。
リースバックは上記の取引とは異なり、リースバック業者が一旦買い取った後、自由に売却はできません。
リースバック業者側は損失を防ぐ必要があるため、市場価格と同等の価格ではなく、市場価格の約70%程度の価格で買い取りをします。
2−1で探したリースバック業者に当該物件の査定を依頼してみましょう。
候補業者が複数であれば、複数の業者に査定依頼する分は問題ありません。
また、売却価格だけでなく、その後賃貸契約を締結した場合の月々の家賃も把握しておきましょう。
売却時の査定価格が高めに設定されていると家賃設定にも直結する問題になるため、毎月の家計に負担が生じる可能性も出てきます。
家を売却する|賃貸借契約を締結する
納得のいく査定とリースバック業者が見つかった後は契約締結になります。
売買契約と賃貸借契約の2種類の契約締結が必要になるため、書類等の準備を怠らないよう注意しましょう。
また、いずれ買い戻しも視野に入れている場合は、買い戻しをする「再売買の予約契約書」も加わります。
いずれ買い戻しをすることを口約束だけで終わらせず、必ず書面にて契約締結するようにしてください。
売買契約を締結し、売却代金が支払われた後、所有権がリースバック業者へ移行されます。
その後、賃貸借契約を締結する流れになります。
引き続き住み続ける
賃貸借契約締結時に、契約期間の記載があります。賃貸の契約開始を確認し、いつから初回家賃の支払いが発生するのかを把握しておきましょう。
また、賃貸借契約には、普通賃貸借契約と定期借家契約の2種類があり、一般的にリースバックでは定期借家契約が多いです。
普通賃貸借契約は2年契約になり、都度更新可能、一方、定期借家契約は2年か3年の契約期間が設けており、定められた契約期間が終了すると更新は認められず退去しなければいけません。
2つの契約の違いは、更新可能か不可かの違いになります。
2種類の方法で買い戻しは可能
資金不足が一時的であれば、当然将来買い戻しも視野に入れながらリースバック契約を締結しますよね。
先々、買い戻しも含めたリースバックであれば、必ずリースバック業者にその意思を伝えましょう。
買い戻しの方法は次の2つの方法になります。
1.買戻し特約
2.売買予約
買戻し特約
自宅を売却する際の売買契約と同時に買い戻し特約も締結します。
売却時の金額と同等の費用を支払うことで、売買契約を解除できるという特約が買い戻し特約になります。
買い戻し特約の特徴は、
●法的拘束力が強い
●優先的に買戻しできる
●期間内(最長10年)に買戻しを実行しなければならない
この3つになります。
特約を付けず売買契約を締結した場合は、当然ですが買い戻しはできません。
売買予約
買い戻し特約と比較すると法的な拘束力が弱いのが売買予約になります。
期間や売却価格は当事者で自由に設定でき、リースバック業者とあなたとの間で、売買の再契約を行うという約束になります。
一般的にリースバック業者は買い戻し特約より売買予約を用いていることが多いようです。
あなたは当てはまる?リースバックに適している方
リースバックを検討している方は、現在何かしらの悩みや負担を生じていますよね。
ではこの章ではリースバックに向いている状況を紹介しましょう。
1.住宅ローンの返済が負担になってきた
2.老後の資金調達のため
3.相続問題で整理したい
4.すぐにでもまとまった資金が必要
ここでリースバックのおさらいです。
リースバックは、自宅を売却しつつもそのまま賃貸契約で住み続けられる方法です。
住宅ローンの返済が負担だけれど、そのまま住み続けていきたい方や、まとまった資金が今後の生活のために必要であること、相続人が複数いる中でトラブルなく不動産を整理したい方には相性の良い方法になります。
オーバーローンだけどリースバックを利用したい
基本的にオーバーローンの場合はリースバックを断られることが多いです。それは、売却値で住宅ローンの完済ができないことが大きな理由になります。
どうしてもリースバックを利用したいという方には1つ方法がありますが、交渉が必要になります。
それは、「足りないローンの返済額の資金を別で調達する」ということ。
このように足りない資金は別で用意できる環境にある、もしくは、既に用意してあることを証明できればオーバーローンでもリースバックの利用ができるケースもあるのです。
まとめ
リースバックは適している方と適さない方に分かれるため、ご自身が今どのような状況なのか、今後買い戻しも視野に入れた上の一時的な売却なのかを良く考慮する必要があります。
また、自宅の売却や賃貸として住み続けることを考えると長い付き合いになるリースバック業者は、慎重に選ぶ必要があります。
不動産仲介会社全てがリースバックに対応している訳ではないため、複数の業者に相談をした上で善良なリースバック業者と取り引きすることをおすすめします。