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- 2022/12/07
住宅ローン滞納でお困りの方向け|任意売却と競売の比較と手続きの流れ
経済状況が不安定な中、収入が減少してしまった方や、何らかの理由で働くことが難しくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マイホームを購入すると毎月決まった金額を住宅ローンとして支払うことになりますが、このような状況に陥ってしまった場合、毎月数万円も返済していくのは負担になるでしょう。
その結果、いつしか滞納してしまうというケースも珍しくありません。
住宅ローンを滞納すると最終的には自宅が競売にかけられて家を失うことになりますが、これは最終手段であり、それまでに任意売却をおこなうことで市場価格と同じくらいの金額で売却することが可能です。
こちらでは任意売却と競売の違いの比較をはじめ、競売に至るまでの流れについて詳しく説明していきます。
任意売却と競売の違い
住宅ローンを滞納すると、残債を支払わない限り任意売却をおこなうか、競売にかけられてしまいます。
どちらにもしても自宅を失うことに違いはありませんが、両者にはさまざまな点において異なる点が多くあるので、1章で詳しく紹介しましょう。
任意売却とは?
まず任意売却ですが、その名の通り「家を任意的に売却する」という方法です。
住宅ローンを借りている銀行などの金融機関が債権者、あなたが債務者となって住宅ローン契約が交わされていますが、債務者の許可を得て一般の不動産と同じように売却することが可能なのが任意売却になります。
つまり、住宅ローンの支払いが難しいため、家を売却し手に入ったお金で残った住宅ローンを返済するというパターンですね。
任意売却にはどのような特徴があるのか順に解説します。
市場価格と同じくらいの金額で売却可能
任意売却でもっとも優れている点と言えるのが、市場価格と同じくらいの金額で売却が可能という点です。
一般不動産の売却とほぼ同じ方法で売却活動を行うため、上手く売れれば残債が少なくなる可能性が高いです。
事情を知られずに売却可能
任意売却の場合は個人情報や売却の事情などを一切明かさずに売却活動をおこなうため、プライバシーを侵害されることなく家を手放すことができます。
「近所や職場、知人などに知られたくない」という場合には任意売却が適切でしょう。
リースバックで自宅に住み続ける選択肢もある
家を手放した後も場合によってはリースバック制度を使い、自宅に住み続けることが可能な場合もあります。
リースバックとは売却した後に「賃貸」として毎月賃料を支払いながら住み続けられるシステムで、この方法なら今までと生活が変わらないため、負担や精神的ストレスもほぼありません。
住宅ローン残債が全てなくなるわけではない
住宅ローン残債がどれくらい残っているかによって、任意売却した金額で残債をまかなえるかどうかが左右されます。
つまり、住宅ローン残高が多く残っていればいるほど、任意売却をしただけでは完済が難しいということになります。
自宅の価格がローン残高よりも下回ってしまう場合はこのような現象が起こります。
コンサルティング料を請求される可能性がある
任意売却にあたって専門家にアドバイスを受けた方がより安心して売却を進めることができます。
しかし、コンサルティング会社や税理士などに依頼するとコンサル料を取られてしまうことも多く、数十万円と高額な費用を請求されることもあります。
競売とは?
任意売却にはこのような特徴がありますが、一方競売とはどのようなものなのでしょうか。
「競売」と聞くと、住宅ローンの滞納を解消する最終手段であるイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
こちらで競売の良いところと悪いところ両者について解説します。
債務者は何もしなくてOK
任意売却は一般不動産の売却と同じように債務者が積極的に動かなくてはなりませんが、競売の場合は基本的にあなたが自主的に何か行動を起こす必要はありません。
競売は法律に抵触するだけあって、裁判所と債権者が売却の手続きを進めてくれます。
売却を急ぐ必要がない
任意売却では早く売却して資金を作らなければならないという気持ちから焦りが生じますが、競売はほぼ自動的に手続きが進められるため、売却を急ぐ必要がありません。
市場価格の7割程度でしか売れない
残念ながら競売の場合は市場価格の約7割程度の金額でしか売れない場合がほとんどです。
さらに、そこから競売にかかる費用も差し引かれるため、任意売却でできるだけ高く売った方が残債を減らすのに貢献できるでしょう。
強制的に追い出される
法律が絡んでいる競売だからこそ、不動産が落札されれば債務者の意思は関係なく強制的に追い出されてしまいます。
もし出ていかなければ強制執行となり、無理やり退去させられてしまうので注意が必要です。
現況調査やメディア掲載によりプライバシーがない
任意売却では一般的な売却と同じような方法であるため、事情を周りに知られずに売却が可能ですが、競売では手続きを進めている最中に裁判所の執行官や評価人が家の現況調査をしに来ます。
また、売却の際には新聞やインターネットなどに情報が公開されてしまうため、周囲の人に事情を知られてしまうリスクが高くなります。
引越し費用は自分で用意しなければならない
任意売却では最高30万円の引越し費用を受領できますが、競売では引越し費用はもちろん、立退料が支払われるケースもめったにありません。
任意売却の手続き方法と流れ
任意売却を行おうとお考えの方は、どのような手続きで進めるのかを知っておくと安心です。
次のような流れで進むので、一度イメージしてみてくださいね。
・ 不動産会社で査定を依頼
・ 金融機関の許可を取る
・ 不動産会社と媒介契約・売却活動
・ 内見・契約交渉
・ 売買契約締結
・ 引越し
・ 決済・引き渡し・登記
任意売却には一般的に3ヶ月〜半年程度の期間がかかり、条件や立地が悪く買い手がなかなか付かない場合には半年以上売却期間を要することもあります。
「すぐに売れる」と過信せずに、着実に準備を進めておくことが大切ですね。
競売の手続き方法と流れ
一方競売はどのような流れで進むのでしょうか。
本来なら競売にかけられる前に任意売却で完了させたいものですが、知識として備えておくべき内容のためご参考ください。
・金融機関が競売申立て
・裁判所の執行官による現況調査
・物件情報の公開
・入札
・開札
・売却許可決定・引き渡し・登記
競売に関しては任意売却よりも長い期間がかかることが多く、平均で10ヶ月から1年程度の月日を必要とします。
競売が確実に完了するまでは自宅に住み続けられますが、着々と手続きが進んでいくため早めに引っ越しておいた方がトラブルを避けられます。
競売にかけられる前に任意売却を
住宅ローンを滞納してしまうと、6ヶ月ほどは保証会社があなたの代わりに代位弁済をしてくれますが、当然この状態を放置しているといずれは競売申し立てをされてしまいます。
競売にかけられると自宅を手放さなければならないだけではなく、情報が公に開示されてしまうのも問題のひとつでしょう。
競売にかけられる前に任意売却で高く家を売り、少しでも住宅ローンの残高を減らすことが望ましいですね。